明治・大正名所 探訪記

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zoom RSS 平泉名所 中尊寺

<<   作成日時 : 2016/05/16 19:47   >>

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(おくの細道) 『予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋、江上の破屋に蜘の古巣を払ひて、やゝ年も暮、春立る霞の空に白川の関こえんと、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神の招きにあひて、取もの手につかず。もゝ引の破をつゞり、笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、松島の月、先ず心にかゝりて、住る方は人に譲り、杉風が別墅に移るに、 
  「草の戸も 住替る代ぞ ひなの家  芭蕉」  
面八句を庵の柱に懸置く。』

 俳人・松尾芭蕉は、元禄2年(1689)3月27日(新暦で5月16日)の早朝、江戸深川を出て、奥州に旅立ちます。深川から舟に乗り、千住へ向かったと云います。ちょうど今の季節です。芭蕉が奥州に出かけた最大の目的は「松島の月」を拝むことと云われていますが、「奥の細道紀行」で残した傑作のひとつは、平泉で詠んだ句ではないかと思っています。そこで、平泉を巡って帰りました。
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△絵葉書 (中尊寺名所) 金色堂
 
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 芭蕉と門人の曾良が平泉を訪れたのは、旧暦の5月13日、新暦で6月29日でした。平泉に着いた芭蕉は真っ先に高館(たかだち)に登ります。かつて源義経公の館があつた場所です。高館は北上川に面した丘陵で、要害地となっていて、兄・頼朝から追われた義経公は奥州藤原氏の三代秀衡公の庇護のもと、この高館に居館を与えられます。しかしながら、文治5年(1189)に頼朝からの圧力に屈した四代泰衡の急襲にあい、この地で妻子とともに自害したと伝えられています。高館からの眺望は平泉随一と云われています。

(おくの細道) 『三代の栄耀 一睡の中にして、大門の跡は一里こなたに有り。秀衡が跡は田野に成て、金鶏山のみ形を残す。先ず高館にのぼれば、北上川南部より流るゝ大河也。衣川は和泉が城をめぐりて、高館の下にて大河に落入。泰衡等が旧跡は、衣が関を隔てて、南部口をさし堅め、夷(えぞ)をふせぐとみえたり。偖(さて)も義臣すぐつて此城にこもり、巧名一時の叢となる。 「国破れて山河あり、城春にして草青みたり」 と、笠打敷て、時のうつるまで泪を落し侍りぬ。 
 「夏草や 兵どもが 夢の跡  芭蕉」 
 「卯の花に 兼房みゆる 白毛かな  曾良」  *兼房とは義経の忠臣

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△高館から望む束稲山と北上川
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△高館にある四代伊達綱村公が建てた「義経堂」
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△芭蕉句碑「夏草や 兵どもが 夢の跡」
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△卯の花清水


 このあと、芭蕉と曾良はいよいよ「関山中尊寺」を参詣します。おくの細道に示されている「二堂」とは、初代・藤原清衡公が境内に建立した「金色堂」と「経堂」のこと。芭蕉たちが見た金色堂と経堂が境内に残されています。国宝の金色堂は天治元年(1124)の造営で、現存する唯一の創建当時の建物です。御本尊は阿弥陀如来で、堂全体は金箔で覆われていて、皆金色の極楽浄土を現世に現わしています。螺鈿細工や蒔絵など平安仏教美術の最高傑作です。堂内中央の須弥壇内には、初代清衡公、左には二代基衡公、右には三代秀衡公の遺体と、四代泰衡公の首級が収められているとのことです。

(おくの細道) 『かねて耳驚したる二堂 開帳す。経堂は三将の像をのこし、光堂は三代の棺を納め、三尊の仏を安置す。七宝散うせて、珠の扉 風にやぶれ、金の柱霜雪に朽て、既に頽廃空虚の叢(くさむら)と成べきを、四面 新たに囲て、甍を覆て風雨を凌ぐ。暫時、千歳の記念とはなれり。
 「五月雨の 降りのこしてや 光堂  芭蕉」


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△いよいよ「中尊寺」の入り口に到着
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△とんでもない「月見坂」を登って
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△ようやく「金色堂」を覆っている「新覆堂」へ、金色堂内は撮影禁止なので外から
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△芭蕉と曾良が訪れた当時の旧覆堂が移築されている!

 「金色堂」の建立後五十年ほどで簡素な覆屋根がかけられますが、金色堂の痛みが進んだため、1288年に現存する旧覆堂が設けられ、さらに昭和38年にはコンクリート造りの新覆堂が掛けられました。つまり芭蕉たちは旧覆堂と中の金色堂を参拝したということになります。旧覆堂は移築されて大切に保存されていました。
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△金色堂が引き出されてガランとした旧覆堂の内部の様子
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△こちらは芭蕉が参拝した「経堂」
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△芭蕉の像
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△芭蕉句碑「五月雨の 降りのこしてや 光堂」
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△ツツジがきれいでした。
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△はやぶさにて帰路へ

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△先般訪ねた深川の芭蕉庵の跡(江東区常盤)


*無断転載・複製を禁ず






 




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